5月20日(火)参議院内閣委員会における「宇宙基本法」は、自民党、公明党、民主党などの賛成多数で可決されました。ねじれ国会の中で、この法案が成立した背景は、民主党との法案協議で「憲法の平和主義を踏まえ」「専守防衛に限る」との提案を与党が受け入れたことによります。本来、民主党にも「宇宙開発は、世界的な水準でかなり遅れている」という認識が一般的にありました。
うがった見方をすれば、政権樹立時には、村山内閣が突如、自衛隊を容認した時のような思いもあり、日本の安全保障に貢献する衛星まで拒否はできないという政権担当能力を示すねらいもあったと思います。国益を優先する自・公・民の合意は、委員長としても多いに歓迎しております。
日本の宇宙開発は、これまでの研究から利用へと大きな転換を意味しております。心配は、主として、1,宇宙開発が軍事に転用する恐れはないか。2,武器輸出三原則は、守られるのか、3,情報公開の基準は、この3点に集中しておりました。この点は、法律に明記しております。本法案では,宇宙開発利用は、宇宙開発利用に関する条約その他の国際約束に従い、2条(宇宙の平和利用)に「日本国憲法の平和主義の理念にのっとり」と規定しております。3条(国民生活の向上等)では、「我が国の安全保障に資するよう行われなければならない」と平和規定を設け、専守防衛、集団的自衛権の不行使、文民統制の確保が堅持されるよう歯止めを掛けております。
また、武器輸出三原則(1967,4,21決議)については、我が国の国是として行っているものであり、これを宇宙基本法により、変更するというものではありません。更に情報公開については、一切公開しないというのではなく、公開すべきものについては、適切に公開するという情報の質に応じた適切な管理を行うことにしております。
委員長としては、国家戦略の視点から宇宙の開発や利用に関する施策を総合的、計画的に進めると共に、国民生活の向上や経済発展の寄与、世界の平和、人類の福祉の向上に貢献するために宇宙基本法を制定致しました。
