かつて、高度経済成長期においては、農業用水、工業用水、大都市生活用水など、水需要への対応は急務の課題であった。
しかし、今日、水田耕地面積の減少、工業用水の鈍化、また人口減少による上水需要の減少、さらに産業構造やライフスタイルの変化により、水の総需要が減少するという時代を迎え、施設の管理運営や水循環の保全に係わる森林植栽や湖沼、更に閉鎖性海域での水質改善の課題など、水資源を取り巻く環境社会は大きな転換期を迎えている。
[健全な水循環系の定義]
流域を中心とした一連の水の流れの過程において、人間社会の営みと環境の保全に果たす水の機能が、適切なバランスの下にともに確保されている状態をいう。
健全な水循環系の構築は、自然系と人工系との水循環系の経路が複雑に絡み合っていることから水問題の個別的対応ばかりでなく、自然による水循環系全体を捉えながら総合的な視点で構築することが必要である。
