日本は、国土の約7割を山地が占め豊富で正常な水が得られやすく、「水と空気と太陽はタダ」といわれるように、日本国民は、水の有限性に関する意識は比較的希薄である。日本の年間降水量は、約1718ミリで世界の平均降水量、約880ミリの二倍と恵まれている。
しかし、狭い国土に人口が多く、一人当たりの年降水総量は、世界の四分の一程度に過ぎず、決して豊富だと言えない。しかも国土は、地形が急峻で河川の流路延長は短く、降雨、台風、また積雪など、限られた次期に集中し、降った雨の三分の二は水資源として利用されないまま、山から海に流出する状況下にある。
[水循環計画の目的]
水循環系の健全化は、単に水量を確保するという視点ばかりではなく、水質、水辺の環境等に係わる様々な問題を解決することが必要である。しかし、現在の水利用や管理に関する計画は、例えば、水道、工業用水、下水道、灌漑用水、治水、水辺の環境、水質保全等は、目的ごと別々に策定されており、その目的や水目標が必ずしも水循環系の将来を共有しているとは言えない。
そこで水循環系の健全化を図るため、先ず水循環系の機構を把握、調査し、水循環系の将来像を確立し、その為の水循環計画を策定することを目的とする。
